こんにちは!宮本祐です。
緊急事態宣言も、36県にて解除され、伊豆の海も少しずつ復活してきています。
残念ながら、関東の大都市圏に関しては、以前予断を許さない状況ではあるものの、広い視野でみると確実に良くなって来ていると思います。
あと少し。あと少しだけ頑張りましょう!!
さて、今回は『毒』についてです。
ビーチで見たことある↓の中身も大公開!
では行ってみましょう。
クラゲ毒について
海中の毒を持つ生物の代表格、クラゲ。
その美しい体色とフワフワ泳ぐ様は、水族館などでは、「映え」生物としても人気ですね。
「お盆を過ぎるとクラゲが出る」なんて言葉も耳にしたことがあると思いますが、ダイビングにおいては、季節や日にもよりますが、年中会います。
クラゲ毒は、「足」にも見えるクラゲの触手に触れると発症し、触手内に毒液と刺糸を含む刺胞という袋があり、触手に触れると肌に刺胞が突き刺さり、クラゲ毒が体内に侵入します。
海を安全に楽しむために、正しい知識を持って予防・対処して行きましょう。
今回は、特に危険!ってクラゲを紹介しますね。
放射状の褐色の縞模様が走る、直径20cm程度の傘と、2m以上の触手を持ちます。
北海道以南の日本近海には広く分布し、伊豆の海でもよく見られます。
触手の刺胞毒は強く、刺されると強い痛みを感じます。
体調3cmほどの立方体状の傘に、20cmほどの触手を4本持ちます。
北海道を含む日本近海に広く分布し、お盆明けに大量発生するのもこの種。
刺されると激痛が走り、患部はミミズ腫れを起こします。
10〜15cmほどの傘に、7〜8本にもなる、長さ1.5mほどの触手を持つ。
沖縄や奄美諸島に生息し、刺されると激痛を感じ、患部はミミズ腫れになる。
放っておくと、6時間ほどでミミズ腫れから水疱となり、12時間後には壊死を引き起こします。
重症ともなると、呼吸困難・意識喪失を招くケースもあります。
クラゲ以外の生物について
もちろん、クラゲ以外にも毒性を持つ生物はたくさん居ます。
その生物を紹介します。
カツオノエボシ
すみません!写真が無く、インターネット検索(笑)をしてもらえると良いのですが、かなりクラゲに似ています。
が、実はクラゲではなく、「ヒドロ虫」というウミヒドラやガヤの仲間になります。
大きさ10cmほどの傘に、触手はなんと50mに達する例まであります!
傘の中は空洞になっており、しばしば海面上に浮いている状態で発見されます。
通称:電気クラゲ。
刺されると電撃に似た激痛が走り、場合によっては強いアレルギー反応を引き起こし、死に至るケースもあります。
ここで注意!
カツオノエボシの触手に触れると、表面にある細胞から刺胞(小さな毒針)が発射されます。
この刺胞の発射は、カツオノエボシの意思とは無関係に、異物が触手に接触した刺激だけで行われるものです。
したがって、たとえ触手が切り離されていたとしても、これに触ると刺されます。
体長10cmほどの小型のたこです。
突ついたりして興奮させると、体中に、鮮やかなルリ色のリング状や棒状の紋様があらわれます。
この模様が豹柄に見えることから「ヒョウモンダコ」と名づけられました。
ヒョウモンダコの唾液には、フグ毒と同じ強力な神経毒テトロドトキシンが含まれています。
咬まれると呼吸困難に繋がる麻痺を引き起こし、酸素不足から心停止に至ることも。
全身がトゲに覆われている大型のヒトデで、大きなものでは直径60cm位になります。
腕の数は8本から21本あり、色は灰色、オレンジ色、青色などがあります。
分類としてはウニやナマコと同じ棘皮動物の仲間になります。
オニヒトデの体表面には多数の有毒の棘が生えており、生理活性作用の高いplancitoxin I及びplancitoxin IIを主成分とする毒物質(オニヒトデ粗毒)を有しています。
皮膚に刺さると毒素によって激しい痛みを感じ、アナフィラキシーショックによって重症に陥ることがあり、最悪の場合、死に至ることも。
刺されないためには?
肌を露出させないことです。
夏季や南国リゾートでダイビングをする際は、海水温も高いためダイビングスーツも身軽になりがち。
しかし!それが盲点。
ワンピースタイプのダイビングスーツはもちろん、頭を保護するフードやグローブも必須です。
刺されたらどうする?
さぁ!気になりアレの中身を大公開!
実は、有毒生物への対抗グッズなんかも入っているのです。どどん。
海の生物が持つ毒性はさまざま。
なので、何に刺されたかによって、対処法が異なります。
誤ると、被害を大きくさせてしまうこともあるので、ご注意を!
クラゲに刺された場合
毒クラゲに刺されたときの処置は共通です。
①クラゲの触手をピンセットやティッシュで、そっと取り除く。
刺されたときにそのままクラゲの触手が残っている場合があります。そんなときは触手をそのままにしておくと、また刺される場合がありますので早急に対処しましょう。
ここで注意してほしいのは、絶対に素手で抜いてはいけないってことです。
素手で抜こうとすると、手まで刺されてしまう危険がありますので、手袋かピンセット、最悪ハンカチなどを当てて抜くようにしてください。
②海水で洗い流す。
海水で刺されたところを優しく洗い流します。注意!真水はNGです!
真水で洗うと、浸透圧の差で、刺胞の毒液が体内に流れ込みやすくなるからです。
③温める。
クラゲの毒は熱に弱いです。
お湯、または乾いた熱い砂をかけてから海水で洗い流すのも良いです。
洗ったあとは、腫れや痛みを抑えるために、抗ヒスタミン薬の軟膏や副腎皮質ホルモン配合の軟膏を塗布します。
数日後に皮膚の症状は消えて行きますが、1週間後にアレルギー反応が出てしまうケースもあります。
応急処置後は、速やかに医療機関を受診してくださいね。
カツオノエボシの場合
①幹部周辺に触手が付着しているときは、海水で洗い流して触手を除去する。
②その後、氷や冷水で患部を冷やしながら病院に急ぎ、医療機関で治療を受ける。
民間療法として、クラゲ毒に対して「お酢をかける」方法があります。
クラゲ毒に対してはお酢は、刺胞が不活性化され有効ですが、先に述べたようにカツオノエボシはクラゲではありません。
カツオノエボシに対して「お酢」は効果がないばかりか、酢の刺激で余計に毒が出て逆効果になります。
ヒョウモンダコ・オニヒトデの場合
患者が水にいる場合にはすぐに引き上げる。
呼吸管理が必要なので人工呼吸とCPRを行い、すぐに病院に運ぶ必要があります。
毒を絞りだし、流水であらうことは効果があるが、毒を吸引することは非常に危険なので、医師か看護婦がそばにいる場合に行います。
はい、というわけで今回のテーマは『毒』でした!
夏を前に、良い予習ができましたね。
フードを紛失してはいませんか?
グローブが破れていませんか?笑
復活前に、器材のチェックをお忘れなく!
さて、次回ブログリレーは5/20(水)。
担当は栗原(健) instになります。
是非お楽しみに!
宮本でした!