パパラギ東京店 ブログ

こんにちは、宮本です。
ブログリレーも延長戦。
今日も張り切って行ってみましょうー!

今回は、以前「群れ」について書いたときに少しだけ触れた魚の視力について書こうと思います。
僕ら人間にとって、視力は重要な情報収集の手段であり、遠くのもの、近くのものを見て状況を理解し、生活しています。

でも、それはあくまで陸上の話。
水中では海水がしみるわピントも合わないわで、マスクがないと物をはっきりと見ることは出来ません。

では魚はどんな風に水中が見えているのか。始まり始まり〜!

魚は何を見ているか

魚は何を見ているか

人間と魚の眼の仕組みは、実はほぼ変わりません。
まぶたが無いので光量調節ができないくらい。

特徴的なのは、水晶体と呼ばれる、ピントを合わせる機能を持つ部位の形が違います。
魚に水晶体は球形をしており、カメラで言えば超広角なレンズ(魚眼レンズ)に相当します。

人間の場合は、水晶体の形を変え、厚みを変えることでピントを合わせていますが、魚は球形のため、焦点距離の微調整が不要となり、水晶体をほんの数ミリ動かし、ピントを合わせています。

眼で見た映像が水晶体を通り、なんやかんやして一番奥にある網膜という部位まで届き、視細胞が反応し、脳へ映像として認知されます。

美しい眼の色に引き込まれますね。

「光が眼で受け取られ、脳でイメージされる」
ここまで解ったところで、もう少し細かい話になりますよ!笑

網膜には「錐体(すいたい)」、「桿体(かんたい)」と呼ばれる視細胞があり、魚は明るい時と暗い時で役目を入れ替えながら、ものの細部を見分けています。

魚種によっては網膜上の錐体の位置・密度などが異なっており、錐体の位置から水晶体を挟んで外に伸ばした方角が、その魚がもっとも見えているところで、エサをとったり敵から逃げたりするのに使われています。


↑のカンパチもそう。

カンパチやアジは魚食性といって、小魚を追いかけ、捕食します。
錐体細胞は眼球内の下部に密集しており、そこから水晶体を結んで外に伸ばした方角が、カンパチたちのが見えているところ。

つまり、カンパチたちは見上げるような形で、海面上にいる小魚たちの位置を把握しているのです。


↑のイワシやキビナゴは、逆に錐体があまり密集しておらず、広く海を見渡せるようになっています。

小魚たちにとって、海の中は危険がいっぱい。
下からはカンパチやアジに襲われ、空中からはカモメやウミネコなどの海鳥からも狙われます。

周囲全体が見えることで、敵の接近に少しでも早く気づけるようになっているんですね〜!

魚の視力測定


実は、魚の視力を測定する、と行った実験は実際に行われています。
しかも、僕らの視力測定と同じく、あの「C」を使った実験です。笑
(ちなみに、この「C」のことをランドルト環と言います)

まず水槽内に通路を作り、上向きの「C」の通路とエサをセットにしておきます。
魚が上向き以外の「C」には見向きもしなくなるまで学習したところで、上向きの「C」大きさを少しづつ小さくしていき、どこまでエサに食いついてくるか、と行ったものだそうです。

笑っちゃうような話ですが、興味深いですよね!
ちなみにこの実験は10cm弱のブルーギルに対して行われ、視力は0.03だったそう。

マダイでも同じような実験を行ったのですが、実は2cmのマダイは視力0.05ほど、60cmでは0.31となったそうで、身体が大きいほど視力が良くなることが発覚!

僕ら人間は、基本的に成長に伴い視力は低下していくものですが、なんと魚は違うんです!
身体が大きいと遊泳速度も距離も有利どころか、視力も良いとは…!

魚以外の生物の視力


モンハナシャコ、と言います。
伊豆の海でもたまに見かける、甲殻類ですね。
モンハナシャコは肉食性で、なんと貝の殻をパンチ!して捕食します。

この話もまたとても面白いんですが、今回は視力のお話。

モンハナシャコは、実に10万もの色を識別でき、なんと人間の10倍にもなります。
加えて、「円偏光」という光を知覚できる、地球で唯一の生物でもあります。

偏光とは電磁波の一種で、幾つか種類があり昆虫なども見ることができるそうなんですが、円偏光を見ることができるのはモンハナシャコだけ。
モンハナシャコの尾には円偏光を反射する部位があり、交尾や縄張りの交渉に使っているそう。
どういう仕組みで見えているのかはまだ解明されていませんが、これが解明されれば情報通信の分野ではさらなる飛躍が期待できるそう。


ウミウシなどの貝類にも、もちろん目はあります!
わかるかなー?ちっちゃい黒い点がそれです。

どのように見えているのは全く不明。
これからの研究成果が楽しみです。


はい、こんな感じで今回は非常にマニアックな内容でした〜。
お付き合いいただきありがとうございます。

他にも、タコやイカはどうなのか?とか。
嗅覚や聴覚はどうなのか?とか疑問は尽きず。
こちらに関しては、さらなる調査報告をお待ちくださいね〜!

さて、次回は5/13(水)、魚よりも視力が悪い男・栗原(健)instによるブログとなります。
前回のブログにて報告した筋トレは、果たしてサステナブルっているのか、お楽しみに〜!

宮本でした!