パパラギ東京店 ブログ

昨年、不思議なカサゴに出会いました。
カメラを向けても、目と鼻の先ほど寄っても、
じーーっと両目をこっちに向けたまま微動だにしないんですね。逃げない。
何も持っていないのに全て揃っているような。
カサゴであること。この場所を選んで生きていること。自然の中にいることに自信を持っているようでした。
なんだかカッコいいカサゴだから、カッコよく撮ってあげたい気持ちにさせるのでした。

先日、久々に東京店に出勤しました。
時々、千代田線は二重橋前駅で降りて、皇居から丸の内を抜けて八重洲まで歩いています。
丸の内のオフィス街を歩いていたら驚きました。
なんとくしゃみをしたら街中に響いたんです。東京のど真ん中の丸の内でですよ?
それでは、ここで一句。

閑けさや ビルにしみ入る 薮のくしゃみ

字余り。

人が経済活動を止めた地球ってどれだけ静かなんだろうと思いました。
安心してください。ブラジルの人、聞こえますよ。

人間にとって身の丈に合った生活とはどんなものなんでしょうね?
2015年の統計では、全世界での経済活動で地球の資源は928億トン使われたそうです。
そのうち610億トンは廃棄。もっとも、丸ごと無駄になっていると考えるのはどうかと思いますが、それでもゾッとする数字ですね。

今、自分は堂々と身の丈に合った生活をしているか。

地球で暮らす隣人として、あのカサゴに一挙手一投足を見張られている気がするのでした。

とか語ってみると、ただのカサゴがただのカサゴに見えなくなってきませんか?笑
写真を撮る楽しみを知っている人はたくさんいますが、見る楽しみを深めている人は少ない気がします。
ニューヨークでご活躍されているの前衛芸術化の篠原有司男さんはこう言っています。
「芸術の良し悪しは半分は作り手の責任。もう半分は見る人の責任だ。」

どうでしょう?

撮りにいけない今、熱烈に見ることに挑戦してみては?
写真も見てもらわなければ完成しません。
パパラギ公式インスタグラムでは、お客様からスタッフが撮った写真がずらり。
どれも想いがこもったものばかり。毎日更新されます。
真剣に見てると撮ったときの心が伝わってきますよ〜。
 

薮崎