パパラギ東京店 ブログ

こんにちは。金曜日の薮崎です。
5月です。不思議な5月です。
昨日は、伊東さん炸裂でしたね。モトモトキヨシの経験が裏付けるためになるブログです。

薮崎からはカメラにまつわるちょいとマニアックな話を。

 

想像してください。

全てがオレンジに染まる夕暮れ時。
人の少なくなった海辺で、あなたはプロポーズされて(して)います。

目の前にはキラキラ輝くダイヤの指輪。

 

それ、何色してますか?
きっと夕陽に染め上げられてオレンジ色に輝いているかも。

さあ、記念に写真を撮ろう。
見たままオレンジ色に輝くダイヤを撮りますか?
それともフラッシュを焚いて本来の清楚な美しい姿を撮りますか?

「おいおい、ベタに夕焼けどきに渡してきたよ、この人。この先何年もお前はベタな奴だといじれるように、この雰囲気ごと写真に撮っておこう。」
なのか

「なけなしの給料でこんなに綺麗なものを!汚れる前に綺麗に撮っとこ!」
なのか

きっと撮る人が何を思っていたかで、出来上がる写真の雰囲気って変わるはずだと思うんです。

 

ま、そんな話はさておき。

 

去年の初夏のヨコバマです。
親が胸ビレで新鮮な海水を送り込む度に、孵化を待つタマゴがさわさわ〜っと揺れてキラキラ光ります。
「お〜い、はやく出ておいで〜」みたいな。
曇りの日でしたが、洞窟の中の財宝を見つけたように輝いていましたよ。

 

こっちは石垣島の浅瀬です。
なんてことない体色のスズメダイたちです。
何が良いわけでなく、何かが良い。海の中ってその連続です。
こういう瞬間はもれなく綺麗に捕まえて持って帰りたいものです。

 

どちらの写真もストロボやライトなどの人工的な光源は一切使っていません。
実はここ一年ほど、「ソースライティング」という考えに基づいて撮影をしています。
細かな技術的な説明はこの場では割愛しますが、要はそこにある光を主光源とし、そこにないはずの光は使わない、使っても主光源を殺さないよう補助的に、寄り添うように使う撮影方法です。

 

撮影は、影を撮ると書きます。
「なんか違う」、「嘘っぽい」のさじ加減は影です。
影をいかす唯一の光源は太陽です。自然光をもっと大切に。
影を消さずに撮ってみる。

 

光と影の色と形、自然の中ではもう出来上がっています。
目で見て綺麗と思ったから写真にするんですもんね。
感動をそのまま形に残そうと思うなら、「ソースライティング」の考え方はきっと武器になります。
なるべく見たままの景色を。
心は何に動いたのか。

 

クマノミのタマゴは微かな自然光の中でキラキラしてるから良いと思ったわけですし、
スズメダイは揺らめく陽の光の動きの中にいるのが良かったわけです。

 

ここでストロボに頼っていたら、そこにあった光も影も全部吹っ飛んでしまいますもんね。
ある写真家は、ストロボを
「失礼ですよ、コンサートにピストルを持っていくようなもの」
と表現しました。

 

もちろん、ストロボやライトが無ければ出来ないこともあります。
自分自身、必要な時は迷いなくストロボを使います。
片方は沖縄で蓋開けたまま潜ったんで、ひくほど水没しましたが、問題なく現役のど根性ストロボです。
内側がふ菓子みたいな色になったかわいいやつです。

 

少なくともストロボありきのアプローチは止めたってこと。
どっちが良いじゃなくて、どっちが好きか。
そうやってああだこうだ自然を美しいと思う心の動きに歩み寄ってくのが面白いんでしょうね。

皆さんはいかがですか?
きっと久々に潜る海で撮った写真はどれも弾けますよ〜
イメトレしよう。ワクワクするね!

 

明日は木村さん。
先週は予想を惜しくも外してしまいました。
当てにいきます。

「好きなBCDを背負うときのかけ声 〜国内vs海外〜」

です。
熱く語ってもらいましょう!