パパラギ東京店 ブログ

こんにちは✋木曜日担当の伊東です!

ミステリーハンター栗原に続きまして。

今回は、私の大好きなスズメダイについて語りたいと思います。

まずは誰もがしっているこちら、ソラスズメダイ!

伊豆のスズメダイといえばこちら↓ですね。

ソラスズメダイ

漢字で書くと、空雀鯛

学名は、Pomacentrus colelesis

英名は、Heavenly damselfish

(Heavenly=天の、天国のような・damsel=少女、おとめ)となります。

天女と言っておけばよいでしょう!

 

体高は、低く長楕円形で、コバルト色の体色に尾びれが黄色いのが特徴。黄色い部分の大きさは、地域や環境によって差があり、

ミクロネシアでみられるものは腹部から体側後部まで黄色いものが多いそうです。

尻びれだけ黄色いソラスズメダイ

胸びれまで黄色いソラスズメダイ

食性は、動物性で、主に水中を漂う動物プランクトンを食します。

ほかにも、底質面に生育する藻類を噛みとって食物とすることもあるそうです。

中層を泳いでいるソラスズメダイ

産卵期は、7~8月で産卵は日中に行われペアで産卵します。

オスが岩の下を掘り産卵床を作ります。
転石地帯では、岩の下に産卵床を作り、
卵は転石のに産み付けられ、オスが保護します。

オスの子育て

写真でも卵が確認できると思います。

 

産卵からハッチアウトまで、水温にもよりますが4~7日程度と言われています。

7月前後は特に富戸でも幼魚の姿を見かけることが多いです。

また季節回遊魚と言われていますので、南から流れついた幼魚も多く確認できると思います。

卵からかえったばかりソラスズメダイは、透明な集団で移動します。

スケルトンソラスズメの群れ

着底する場所が決まると数時間でみるみるとコバルトブルー色に変化します。

着底したばかりのソラスズメダイは透明ってわけです。

1日同じ個体を午前午後で見比べてもスケルトン部分が少なくなることを確認できるほどみるみるうちに色が変化するのがわかります。

生まれてまもない稚魚

産卵の様子や、スケスケのソラスズメダイについてはもっと語れるところなんですが・・・今回はさらっと流して話を進めます。

青くて小さくてかわいいソラスズメダイ。
でも、黒っぽくなっている個体を見かけたことありませんか?

巣穴にいるときのソラスズメダイ

ソラスズメダイは環境や水温などによって体の色を変化させます。
伊豆では、特に水温が低い時期と巣穴にいるとき、産卵しているオスは黒っぽくなっています。

危険を感じた時などにも黒褐色になるといわれています。

冬の時期のソラスズメダイ

 

いつもの色はどうした?

ほんとにソラスズメダイ?

と思ったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

そこで、今日のミステリーハンターは、

ソラスズメダイはなんで青いのか?のひみつに迫ります!

音を発することのできない魚は、体色や模様で認識し、仲間に対するシグナルでコミュニケーションを図っています。

水中で比較的遠くまで届く、狭い範囲の波長域の青い光を使う事が有効です。

 

同じソラスズメダイでも、普通の時とおびえている時や寝ている時では、ずいぶん色が違います。

 

魚の皮膚は人間の皮膚と同様,表皮と真皮から構成され,真皮に色素細胞(魚類では「色素胞」と称する)が存在します。

 

動物の体色は真皮に存在する細胞、色素胞(しきそほう)で決まります。

色素胞には細胞に含まれる色素顆粒によって、
・黒色素胞・・・全ての光を吸収する
・赤色素胞・・・赤以外の光を吸収する
・青色素胞・・・青以外の光を吸収する
・黄色素胞・・・黄色以外の光を吸収する
・白色素胞・・・全ての光を反射散乱する

・虹色素胞・・・光を反射させる

しかし、青く輝く魚は、青色素胞を持っていません。

魚の表皮は薄く透明です。

 

ではなぜ人間の目には青く見えるのでしょう?

大きく分けると「光を吸収して色を表現する」「光を反射して色を表現する」の2つあります。

色素胞は細胞内に含有する色素物質の色を呈する光吸収性色素胞と色素は存在せず、

細胞内構造により光を反射して構造色を生じる光反射性色素胞に区別されます。

自然界の生物が色を持つ方法は、突き止めると2つしかありません。

色素を使うか、光を反射する結晶構造を持つか。

吸収して発色している場合どこから見ても体色が変化しません。

海中では、上から降り注ぐ青い光、また周囲に散乱した青い光を吸収してしまうと、下や周りにいる捕食者に『影』として認識され、見つかってしまう事になります。

青い光を身体で吸収せず、反射してしまうのが最もカモフラージュとして有効なんです。

水面に近づくほど、波でキラキラと光る光が下に降り注ぎますが、水面からの光を生かし、反射を利用すると、捕食者には波のキラキラした光のように見えます。

反射させて色を表現しているものは、見る角度、光の当たり具合で色が変化して見えます。

コバルトブルー色をしたスズメダイの仲間ですが、青色の色素をもっていません。

ソラスズメダイは、青くないということです!

 

実は、自然界には、青い色素をもった生物はほとんどいません。

ソラスズメダイは、どうしてコバルトブルーの色をしているか?

 

ソラスズメダイは、青い色素を持たず、虹色素胞(こうしきそほう)と呼ばれる細胞をもっています。

細胞内には、グアニンというとても薄い結晶が何層にも並んでいます。

非常に薄い膜が何層にも重なってできており、
この重なり方が整った状態になると、鏡のようにビカビカした反射性を持ちます。

そして可視光線のうちの青い光を反射している状態。

青い光を反射するため青く見えているというわけです。

虹色素胞は、色素を含まず、簡単にいうと屈折率の高い無色透明の光・・・

例えば、実際には反射っていわれているシャボン玉の表面がいろんな色で変わるのと同じような効果だそうです。

 

そしてスズメダイは、状況に応じて虹色素胞の厚みを変化
させることで色合いを変えることができるというわけです。

 

ご納得いただけましたでしょうか?

 

本来は青くないけど、青く見えることで仲間にコミュニケーションを図っていたり、外敵から身を守ることができるわけです!

素晴らしい!

そんなわけで、実は、立川店ブログで福田INSTも同じような内容を上げていましたが深堀してみました~!

私がソラスズメダイが青くないと知ったのも薮さんに教えてもらったのでした🙈

明日はそんなわけで薮崎INSTの登場です!

 

明日のテーマは・・・

「水」で紐解く伊豆半島のフシギ(後編)

半島を大循環する水のはじまりから見えてきたのは
なぜサクラエビが美味いのか?
春濁りは西伊豆から始まる?
そしてヨコバマとイソギンチャクの関係だけでなく、命の営みの鍵を握る張本人とは?

🎤いよいよ伊豆半島の生態系を牛耳る黒幕に迫ります
お楽しみに〜。のぞみでした🙋では、また来週お会いしましょう!