パパラギ東京店 ブログ

こんにちは!
水曜のミステリーハンター・栗原です。

いやぁ〜。先週と番組が変わっちゃいましたね。(笑)
(日曜担当のせいです。)

でも「世界・ふしぎ発見!」も、子どもの頃から大好きな番組です。
1986年4月に放送開始、今年で34周年ですって。なんとパパラギと同い年なんですね〜。
本家ミステリーハンターで有名な竹内海南江さんは、僕が子どもの頃から今でも現役で活躍中。30年以上続けてる。すごいですね。自分もそうあり続けたいと思います!

さて、本題はなんだっけ?

本題は、“栗原の印象に残っているダイビング”でした。
どのダイビングも楽しいものばかりですが、特に印象に残っているものって、海や自然に対する見方・感じ方に何かしらのインパクトがあったものだなーって、振り返ってみると思います。

上の写真は2012年の江ノ島で撮影。「チャガラ」というハゼの仲間です。冬時期はオスの婚姻色が美しく、写真を撮っていると夢中になってしまいます。潜る所は江ノ島の裏側(沖側)で、岩場からエントリーします。水中の地形も岩礁域なのでダイナミックなんですよね。初めて潜ったときにはその「意外と」ダイナミックな地形に感打たれて、エキジット後にぽろっと「なんか、雲見みたいですね。」って感想を言ったんです。するとその当時の研修リーダーである大大大先輩が「それは江ノ島に対する差別だよな。」っていうような意味のことを独特の北海道訛りで静かにつぶやいたんです。それを聞いた僕は『?????』で頭がいっぱいになりました。『いやいや、別に差別してねーし!素直な感想言っただけだし!』と内心思っていました。
大大大先輩からはそれ以上の解説もなかったので、その時はそのまま過ぎ去ってしまいましたが、今から振り返るとその意味合いが分かります。それは、「ありのままの、目の前の海を見なさい。」という教えでした。「他と安易に比較をするな。海をランク付けするな。」

人間の勝手な主観を海に持ち込んではいけないんですよね。このチャガラはいつもそのことを思い出させてくれます。

 

もうひとつ、自分の主観で失敗した事例をご紹介。

2014年、セブで撮影。「フリソデエビ」というとってもきれいなエビの仲間です。
エビの仲間の中でもちょっとレアキャラ。伊豆でもたまに見れます。ダイバーに大人気。伊豆では岩場の陰に隠れていますが、セブではサンゴの瓦礫の中に隠れていて、それを現地ガイドさんが見つけてくれたときのこと。僕がカメラを持っていたので、撮影しやすいように瓦礫の中から追い出してくれたんです。ですがご覧の通り、ピントもなかなか合わない、フラッシュもきれいに当たらずで手こずりました。伊豆のフリソデエビは岩陰にじっとしてあまり動かないのですが、こちらのエビは水温が高いからなのか、めちゃくちゃ活発。瓦礫から追い出されると、ものすごい勢いでまた瓦礫の中に戻ろうとします。するとまたガイドさんが追い出してくれる、撮れずにまた引っ込む、の繰り返し。それを繰り返していると砂が舞い上がります。すると今度はエサの匂いを嗅ぎつけたベラ科の魚が集まりだして、僕がファインダーを覗いている瞬間に、パクッとフリソデエビを食べてしまいました!
一瞬、何が起きたか分からずに僕はあたりをキョロキョロ…。見れば真っ黒なベラが目の前を悠々と泳いでいて、『バリッッ、ボリッ』って咀嚼音が聞こえます…。このときの咀嚼音は忘れませんね…。(つまりこれは亡くなる直前の写真です。)

フリソデエビはレアで綺麗、真っ黒なベラ(名前も知らない)は地味な普通種で写真映えもしない。それって完全に人間主観での話ですね。自然界には全く関係のない話。それぞれ必死で生きている。

「人間世界の価値観を海に持ち込んでくるな。」

このフリソデエビはそのことを文字通り、身をもって教えてくれたのでした。

どの海も、どの生き物も、フラットな目線で観ることができれば、びっくりするような「ふしぎ発見!」があるかもしれません。
いつでも謙虚に、海にお邪魔しようと思います。

 

明日、木曜のミステリーハンターは伊東instです。
お楽しみに!