パパラギ東京店 ブログ

ど〜も〜、こんにちは〜。高いところから失礼いたします。
金曜日の薮崎でございます〜。
感性で生きてるから気付いたらこんなところにいますよ。怖いですね〜笑

さあ東京店ブログリレー、2周目も張り切っていきましょー。

只今私、伊豆店から車で役20分、大室山の山頂におります。散歩です。
噴火口の跡は綺麗にくぼんで風の影響を受けにくいため、羽子板をやるにはもってこい。
しかしながら、羽子板をする人口の激減が影響しているのか、今のところアーチェリー場として利用されています。

さて、何を思って一人ロープウエーに乗り、お鉢回りをしているのか?
はじまりはこれです。

疑問1:『なぜ、ヨコバマだけイソギンチャクがわらわら群生しているのか?』

フシギに思いませんか?隣の伊豆海洋公園はおろか、向かいの脇の浜にだってこんなにたくさんいないんですよ?
薮崎はこんなにイソギンチャクがたくさんいる場所を他に見たことがありません。

ところ変わって、沖縄県は宮古島。
ある時、カヤッファビーチというサンゴの群生が見事なポイントでダイビングをしました。

干潮時に水面に露出するギリギリの水深までサンゴがぎっしり!
ここで潜った時に思ったんです、ヨコバマと似ているなあと。広さも、水深も、波の影響を受けにくいことも。

現地ガイドさんに、このビーチの豊かさの理由を聞くと「宮古島には川がないから」と。
確かに宮古島はサンゴ礁が長い時間をかけて隆起して島になったため、まっ平で川がありません。
川がないと、陸からの土砂の流入がないため、サンゴの上に砂などが沈殿するようなことがなく水質が安定することで光合成ができるのだとか。

ふーむ、なるほど。

確かに城ヶ崎海岸から伊豆高原のエリアを見下ろしても川らしい川はありません。

何しろ地質学的にはつい最近、この足元の大室山が噴火して流れ出た溶岩が、海まで覆って大地を塗り替えてしまってるんですから。
川ができるのは何年先になることやら。
というかどれだけ溶岩垂れ流したのよって気持ちになりますね。頑張ったのね、大室山。

大地の活動の記録は、城ヶ崎エリアの海岸線まで行くとよくわかります。
比較的新しい大地と海が境界線を巡って今も争っています。

朝日に燃える柱状節理。自分が溶岩である記憶とそれを洗い流そうとする波と。
何度も繰り返されてきた夜明け。時のロマンですなあ〜。

川が無いおかげで透明度も良いし、イソギンチャクも元気だなんて良いことだらけですね。
すごーい。

 

…ホントに川ないの?
自分の目で見ないと信じないですよ。何のために目がついているか。おかげさまで視力は両目とも1.5です。
幽霊は見たことない(はず)けど、UFOは何度か見たことがあります。でも宇宙人は見たことありません。
皆さんはどうですか?

と、いうことで、一番近い川に行って見た。


河津にある河津川。城ヶ崎からはかなり南。
確かにこの川の影響がヨコバマに出ることはなさそう。

でも面白そうなんで冒険してみましょう。暇なんで。

3児の父薮崎、妻子を残し河津川を遡上します。

日帰り遡上で行けた最上流の景色は想像を超えていました。
段々川が細くなっていって、最終的にチョロチョロになるもんだと思っていました。
ところがどっこい。
「河津七滝」なる滝の祭典に遭遇。

河口からは想像のつかない姿に。
滝もすごいが、左手の柱状節理のオーバーハング。高さ60mくらいでしょうか?
束ねた素麺、はたまた引きちぎった光ファイバーケーブルか。フレッツ光も青ざめます。

右手側は伊豆半島が火山島だった時代にできた地層。
左手側の柱状節理は本州に衝突後に噴火してできた地層らしいです。

何万年という歳の差大地の間を平然と流れる水。

火山性の急峻な川下り。水もさぞかし暴れるのかと思いきや。

さすが自然のデザイン。工事をしなくても治水は完璧。
敷き詰められた柱状節理が頼もしいですね。

滝ばかりではなく、流れが緩やかな部分もあります。


滝で跳ねた水が霧のように立ち込め、マイナスイオンがすごい。
緑が濃くて、光もドラマチック。散歩にはもってこいですね。
山の養分を蓄えるタイミングでしょうか?

こうして何やかんやを経て、山から海へ、川となって水は流れます。

実際に水の旅を追いかけてみると、納得どころか疑問が増えます。
ホントに川だけ?こんなに水があったら川以外の道で海にいきそうなものです。
そして、チョロチョロどころかドバドバ。こんな量の水がどこから湧いて出るんでしょうか?
河津川の始点はこの滝ですが、水の起源はさらに遡らなければいけません。

疑問2:『伊豆半島の「水」の起源はどこか?』

謎はさらに伊豆半島の深淵へ。
次に薮崎が向かう先とは…?

 

つづく。

 

次回、後編ではもっと足を伸ばして更に高いところから。
伊豆半島の屋根から「水」を巡ってみます。

半島を大循環する水のはじまりから見えてきたのは
なぜサクラエビが美味いのか?
春濁りは西伊豆から始まる?
そしてヨコバマとイソギンチャクの関係だけでなく、命の営みの鍵を握る張本人とは?

いよいよ伊豆半島の生態系を牛耳る黒幕に迫ります。
お楽しみに〜。

 

明日は木村さん。
「好きな魚」ときてまさか、まさか「好きなダイビングポイント」では?笑